
尿失禁には骨盤底筋トレーニングよりも筋膜ケアが効果的
尿失禁ケアセラピスト養成コース(1期)*全8回
6月1日と2日は、第5・6講義でした。
第5〜6講義のテーマは
『尿失禁を改善するための筋膜の評価と治療』でした。
尿失禁を中心とした排尿トラブルは、筋膜を整えることで改善が期待できます。
筋膜の異常が尿失禁や排尿トラブルの原因になる
骨盤内にある筋膜が異常な緊張状態にあると、膀胱の状態を感知する感覚のセンサーが狂ってしまいます。
すると、膀胱に尿が溜まっていないのに、溜まっていると感じて、たくさんトイレに行きたくなる『頻尿』や、膀胱に尿が溜まっているのに気が付かず、突然行きたくなり間に合わない『切迫性尿失禁』になったりしてしいます。
筋膜を整えると尿失禁や排尿トラブルは改善する
筋膜が滑らない状態になると感覚のセンサーは機能しません。
だから、筋膜を整えるとセンサーが正常に戻り、夜間頻尿が劇的に減ったり、切迫性尿失禁がなくなったりするのです。
それだけではありません。
筋紡錘の機能が正常化され、骨盤底筋が働くようになるので、腹圧性尿失禁も改善していきます。
骨盤底筋トレーニング vs 筋膜ケア
一般的に、尿失禁に対しては骨盤底筋体操などの骨盤底筋トレーニングが行われます。7割の方に効果があると証明されていますが、3割の方には効果がないこともわかっています。
骨盤底筋がそもそも働いていないのに、動かそうとするから効果がないのです。
エコーをみると一目瞭然。尿を止めるところか、排尿するときと同じように動いてしまっているのです。これでは、尿はとまりません。
いいかえれば、骨盤底筋トレーニングをしているから、いつまでたっても尿失禁が改善しないとも言えるのです。
だから、まずは骨盤底筋が働く状態にしないといけません。
講師の半田 瞳先生は、骨盤底筋体操をいきなり指導はしません。骨盤底筋体操を指導する前に、必ず筋膜を整えます。だから、多くの尿失禁で悩まれている方が改善していくのです。
瞳先生は、尿失禁の研究をずっとしてきました。尿失禁に有効なトレーニング方法の開発研究で博士号もとっています。骨盤底筋トレーニング指導のスペシャリストが、なぜ、骨盤底筋トレーニングを積極的に指導しないのか?
瞳先生いわく、「尿失禁には骨盤底筋トレーニングよりも筋膜ケアが効果的」
トレニーニングよりも、まずは筋膜を整えることが大切であると実際の臨床経験から感じているからです。
尿失禁ケアセラピスト養成コースの様子
第5〜6講は、筋膜の評価と治療をみっちり2日間
尿失禁ケアセラピスト養成コースの核となる部分です。
なにが、いまの尿失禁の原因になっているのか?過去のエピソードから探ることの重要性を教わりました。昔の足首捻挫が、今の尿失禁につながっている場合もあるのです。尿失禁を改善に導くためには、足首の筋膜を調べる必要があるかもしれないことがわかりました。
手術をしたことがあるかどうか?これも重要です。手術した領域の筋膜を調べる必要があるかもしれませんね。
徹底的に筋膜を調べる練習です。とにかく反復です。
最終的には、相手の筋膜の状態を実際に1から調べあげ、実際に整えました。
2日間、筋膜を触り、調べる練習をずっとしてきたみなさん。素晴らしい上達っぷりです!!!即実践可能なレベルにまでなりました!!!
今回の2日間、筋膜を整えただけですが、受講生の中にも大きな変化があらわれました。
1.トイレにいく頻度が明らかに減った
2.骨盤底筋の収縮を明らかに感じることができるようになった
3.エコー画像で明らかな収縮の改善が認められた
なぜ、骨盤底筋トレーニングを指導するまえに、筋膜を積極的に整えた方がいいのかを実感していただけたと思います。
その調子でどんどん実践して、尿失禁をはじめとした排尿トラブルに悩んでいる方に還元してあげてください!多くの方が救われると信じています!
まとめ
尿失禁や排尿トラブルには筋膜を整えることが有効です。
骨盤底筋トレーニングのまえに、筋膜を整えることを推奨します。
骨盤底筋が働くようになってから、骨盤底筋トレーニングを行いましょう。
骨盤底筋トレーニングが有効ではない3割の方も、改善に導けるかもしれません。
尿失禁ケアセラピスト養成コース(1期)
次回の第7・8講義で最後になります。
骨盤底筋トレーニングと生活指導についてです。
エコーを2人で1台使います。
1期生のみなさん、最後までがんばりましょうね!!!
現在、2期生の募集も行っています。第2期は、10月スタートです。
詳細はこちら▼に書いてありますので、興味のある方は覗いてみてください。