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慢性心窩部痛を呈する女性に対する筋膜マニピュレーション(Fascial Manipulation®︎)の効果@第51回日本女性心身医学会学術集会
  専門書籍・論文・学会発表

慢性心窩部痛を呈する女性に対する筋膜マニピュレーション(Fascial Manipulation®︎)の効果@第51回日本女性心身医学会学術集会

こんにちは。トリガースクールの中村です。

この度、2023年7月29日・30日に岡山県で開催された『第51回日本女性心身医学会学術集会』にて、3年前から続く心窩部痛を呈する女性に対してFascial Manipulation®︎(和名:筋膜マニピュレーション)を実施したことで症状が寛解したケースについて、報告させていただきました。

岡山で第51回日本女性心身医学会学術集会

 

以下、発表内容を少しご紹介させていただきます。

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心窩部とは”みぞおち”のことであり、つまり心窩部痛とは”みぞおちの痛み”ということになります。

心身医学において心窩部痛を呈する代表例は機能性ディスペプシア(FD)ですが、今回のケースはFDとの診断はされてはいないものの、3年前から心窩部痛が継続している女性に対し、イタリアFascial Manipulation協会が定める認定Specialistの理学療法士による介入を1週間に1回、計4回行ったところ、経過が良好であったため、報告させていただきました。

Fascial Manipulation®︎とは:
1980年台にイタリア人理学療法士のLuigi Stecco氏によって開発されたfascia/筋膜に対する徒手療法。新しい生体力学モデルと、それを裏付けるfascia/筋膜に関する解剖学的・生理学的エビデンスに基づき、fascia/筋膜の滑走性を回復させることで、整形外科的な症状だけでなく内科的な症状などのさまざまな不調の改善を試みます。

今回担当した方は

3年前から心窩部を中心とした胸や心臓の締めつけを感じるようになり、程度はNRSで4、締めつけが発生する頻度は1日に10回ほどあるとのことでした。

また、NRSで10ほどの強い締めつけが、2ヶ月に1回の頻度で発生していました。

また、自律神経均衡度の測定で交感神経優位

心理的機能評価であるDAMSでは、抑うつ気分12点/21点中、不安気分15点/21点でした。

症状発生までの時系列はこちら

症状発生までの時系列

症状発生までの間に、呼吸器系・消化器系・生殖器系など、随伴症状や過去の不調が重なっている体幹領域を中心に、筋膜の評価・施術を実施することにしました。

その結果

施術結果

2回の介入後に心窩部痛が消失

施術結果

自律神経均衡度は、介入前の交感神経優位状態から、4回介入前では副交感神経優位状態へ

施術結果

また、抑うつ気分は12点→8点、不安気分は15点→10点へと減点していました。

もちろん長期的に経過を追っていく必要があるのですが、3年間困っていた心窩部痛が少なくとも筋膜の介入を始めて1ヶ月は発生していないことは、とても喜んでいただけました。

 

まだまだ原因がはっきりとしない心窩部痛ですが、今回のケースのように、選択肢の1つとして、筋膜への介入がお役に立てる可能性があると思っています。

今後も、筋膜の重要性・可能性を広める活動をしていきたいと思います。

日本女性心身医学会参加

P.S.
今回の学会では、産婦人科医の先生方からたくさんご質問いただき、筋膜やFascial Manipulation(筋膜マニピュレーション)に興味を持ってもらえているようでした。

また、消化器内科の先生とも自律神経や内臓感覚について意見交換でき、専門家の視点に直接触れられるのが学会参加の醍醐味だなと、改めて感じました!

 

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