超音波画像診断装置を用いた健常成人の腹部筋膜測定の信頼性@第28回日本基礎理学療法学会学術大会in広島
こんにちは。
トリガースクールの半田瞳です。
2023年12月2日-3日に広島県で開催された第28回日本基礎理学療法学会学術大会で発表させていただきました。
テーマは『超音波画像診断装置を用いた腹部筋膜の検者内・検者間信頼性の検討』です。
エコーで腹部筋膜の厚さや動態を評価するセラピストの方も少しずつ増えてきましたよね。
ではその際の検者内・検者間の信頼性はどうなっているのでしょうか?
誰が測定しても正確に捉えることができているのでしょうか?
報告の一部をご紹介しますね!
要旨
〔目的〕
エコーを用いた、腹筋群の筋厚および筋膜厚測定の検査者内・検査者間信頼性をICCとBland-Altman分析を用いて臨床上の有用性を検討すること
〔対象〕
健常成人女性96名
〔方法〕
超音波診断装置ポケットエコーmircoのリニアプローブ(Bモード)を用い、筋厚と筋膜の厚みを測定
検者は、臨床経験14年目の理学療法士(検者A)と臨床経験10年目の理学療法士(検者B)の2名で、検者Aが2回、検査Bが1回測定し、測定間隔は3日以上7日以内とした
〔結果〕
Landisの基準(1977)では、検者内信頼性は「ほとんど完璧な一致」、検者間信頼性は「ほとんど完璧〜十分な一致」であり、腹部の筋厚および筋膜の測定信頼性は高かった。
BlandーAltman分析においては、加算誤差と比例誤差はなく、測定値に含まれる誤差は偶然誤差であった。
MDC95においては、筋は0.96mm、筋膜は0.35mm以上で「真の変化」とすることから、臨床上有効な変化が生じているか判断できると考えられた。
〔結論〕
エコーを用いた腹筋群の筋厚および筋膜の測定は、検者内および検者間ともに高い信頼性を得ることができ、MDC95の数値を用いて臨床上の効果判定もできることが明らかとなった。
徒手的な介入や運動療法による効果量を客観的に測定するのは簡単ではありませんよね。
ですが、今回の研究で、エコーを使って組織の変化を測定できることも明らかとなったので、私たちの介入によって実際に何が変化しているのか?ということを、セラピスト側もクライアント様側も把握しやすくなり、介入のモチベーションにもつながるのではと考えております。
昨年に続き、今年もスタッフの中村と2名で発表させていただきました。
今後も筋膜に対する介入研究だけでなく基礎的な研究も進めていき、私たちが行なっているアプローチの有効性を広く知っていただける活動を続けていきたいと思います!
※写真は”飛んでいるポーズ”ではなく、TRIGGERの「T」です。笑
今後もぜひTRIGGERの活動に注目ください!