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講師の中村の論文が自律神経に掲載されました
  自律神経

論文が掲載されました!”慢性の便秘症状に対するFascial Manipulationの効果”

こんにちは!
トリガースクールの中村です。

この度、医学会誌である『自律神経 Vol.62 No.1』に私が執筆した論文”慢性の便秘症状に対するFascial Manipulationの効果”が掲載されました!

中村雄一の論文が自律神経学会の会誌に掲載されました

Fascial Manipulationの内容が医学会誌に掲載されるのは日本初で、内部機能障害に対するFM(FMID)が論文化されたことも日本では初めてです。

今回は症例報告で、様々な制約があり、充分な考察を記載することはできませんでしたが、多分野の医師や研究者の方々に筋膜/Fasciaをケアすることの可能性を知っていただける貴重な機会になったことを嬉しく思うと共に、私の専門分野である自律神経領域の、さらに歴史ある自律神経学会の会誌に掲載されたことは幸甚の至りです。ありがとうございます!

下記に論文の要約を紹介させていただきます。
全文はフリーアクセスとなっていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

<抄録>
症例1,30歳代,女性.主訴は便秘で,23年前から便通異常を感じており,CSSは10点で重症度は軽症であった.JPAQ-QOLは平均1.2点であり,便秘に関するQOLが良好な状態ではなかった.症例2,20歳代,女性.主訴は便秘で,13年前から便通異常が生じており,CSSは9点で重症度は軽症であった.JPAQ-QOLは平均1.3点であり,便秘に関するQOLが良好な状態ではなかった.この2症例に対し,Fascial Manipulationを実施したところ,症例1ではCSSは6点,JPAQ-QOLは平均0.4点となり,症例2ではCSSは4点,JPACQOLは平均0.8点へと改善し,さらに両症例ともに便性状も正常となり,便秘に関するQOLが良好な状態となった.これにより,器質的な原因がない慢性便秘に対し,Fasciaに対する徒手療法の有効性が示唆された.

全文▼
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/62/1/62_39/_article/-char/ja


今回は器質的な疾患を有さない、慢性の機能性便秘でお困りの方2例の検討でした。

機能性便秘の一般的な介入は、「生活習慣の改善」「食事療法」「運動療法」「薬物療法」で、腹壁マッサージなどの有効性を示す報告もありますが、エビデンスレベルはC(効果推定値に対する信頼は限定的)に留まっているの現状です。
機能性慢性便秘の基本的な介入は生活習慣の見直し、食事療法、運動療法、薬物療法です

ですが、裏を返すと、”腹壁マッサージなどの徒手介入が効果的なケースも中には存在する”という解釈もできるので、今回の筋膜/Fasciaへの介入も例外ではないと考えています。

実際に今回報告した2例は10年以上便通異常に悩まれており、いわゆる便秘に良いとされる取り組みを色々と試したけど思うような成果が出ていなかった状態でした。

そのため、従来通りのアプローチでは変化が乏しいと判断し、内部の神経ネットワークと相互作用があるとされている筋膜/Fasciaに着目し、その徒手療法であるFascial Manipulationを実施することにしました。

筋膜の滑走性の評価では、クライアントさんの現病歴、既往歴、現在生じている他の症状の病歴などを古い順に時系列に並べ、筋膜による代償の全身への広がりについて仮説をたて、筋膜の滑走性が乏しくなっている可能性の高い部位を触察して確認していきました。

施術は筋膜の滑走性を回復させるために必要な圧と摩擦を加え、筋膜の動きが良くなるまで刺激を繰り返す方法で、合計で4回ずつ介入。

結果的に、便秘症状が大幅に変化し、もうこのまま変わらないと諦めていた便秘が良くなって、とても喜んでいただけました!
便秘が解消されると表情も明るくなります
お通じが解消されると、気持ちも軽くなり、表情も明るくなりますね。

TRIGGERとしては、今後も学術活動に力を入れていき、より多くの方に筋膜の可能性を知っていただける活動をしていきます!

 


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