
「筋膜は“心”にも効く?」世界理学療法連盟会議で筋膜の可能性を発表しました!
こんにちは!
トリガースクールの中村です。
2025年5月29日~31日にかけて、東京国際フォーラムで開催された
World Physiotherapy Congress 2025に参加してきました。
この国際学会は、世界中の理学療法士・研究者・臨床家が一堂に会する、理学療法領域における最大級の国際イベントで、国内外から多くの注目が集まっていました。
そして私にとっては、今回が初めての国際学会での発表となる大きな挑戦の場でした。
最終日にポスター発表!Fascial Manipulation®の新たな可能性を世界へ
今回私が発表したテーマは、
「Possibility of Fascial Manipulation as a comprehensive stress management method that includes the brain, body, and mind」
(Fascial Manipulation®︎が“脳・身体・心”を含む包括的なストレスマネジメント手法となる可能性)
というものでした。
Fascial Manipulation/筋膜ケアは「筋膜への徒手的アプローチ」によって身体の不調に働きかける手法ですが、今回は“痛み”だけでなく、
「自律神経系やホルモン、心理面にもどう影響するのか?」
という全人的な視点で検討しました。
実はこの学会内で、Fascial Manipulation®に関する発表は私の1題のみでした。
ここで今回の発表内容の一部を紹介
本研究では、不定愁訴や自律神経性の症状を抱える成人17名を対象に、月1回・計3回のFascial Manipulation/筋膜ケア介入を行い、以下の指標を用いて前後比較を行いました。
- 主訴の程度(NRS)
- 胸椎の屈曲可動域
- 睡眠の質(アテネ不眠尺度)
- 気分状態(DAMS:抑うつ・不安・肯定的気分)
- 心理的ストレス反応(SRS-18)
- 自律神経バランス(心拍変動)
- 毛髪中コルチゾール量(ストレスホルモン)
その結果、Fascial Manipulation/筋膜ケアによって
胸椎の可動域の有意な改善、不安・抑うつの軽減、睡眠の質の向上、ストレスホルモンの変化などが見られました。
筋膜内には自律神経線維が分布しており、FMがそれらに作用することで、身体だけでなく心や脳にも影響を及ぼす可能性があることが示唆されました。
FMが身体・心・脳”に働きかける全人的セラピーとなる道を、科学的に切り拓く一歩となったと感じています。
発表後には、ご質問いただいた先生方と徒手療法の研究の難しさについて共感を得ることができ、今後の研究アイデアやヒントもいただけて、大変貴重な時間となりました。
また、Fascia(筋膜)に関する発表もいくつかあり、興味深い内容を直接聴講できただけでなく、国や文化が違っても、筋膜への関心は世界共通であると強く実感しました。
エクササイズセッションも担当!世界に届けた日本発の“自律神経ケア”
実は、今回は発表だけでなく、学会期間中に展示フロアに設けられた「Exercise and Wellbeing Zone」にて、
自律神経エクササイズセッションを3回担当させていただきました。
これは、ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法学会でお世話になっている横井悠加先生からお声がけいただき実現したものです。
セッションでは、自律神経ケアセラピスト養成コースでもお伝えしているスクリーニングテストとして、
- 背骨の柔軟性チェック
- 呼吸性洞性不整脈(HRV)の簡易測定法
-
研究結果に基づく背骨の柔軟体操
を紹介しました。
海外の参加者からも大好評で、終了後は質問の嵐!
「もっと知りたい」「ぜひ学びたい」といった声を多くいただき、日本で培ってきた技術と知見が“世界でも通用する”ことを、肌で感じる機会となりました。
同じブースでyogaセッションを担当された祐成美穂さん☺︎
こちらも大盛況!!!
筋の配置や走行、機能などを解説しながら圧巻のプレゼンでした。
お疲れ様でした!
展示ブースではNexus Motionの万衣子さんを発見☺︎
革新的な教育プログラムツールをプレゼンされていました!
動画で質の高い教育を効率よく学べる時代…
こちらも興味津々でした!
「当たって砕けろ」の先にあったもの
正直に言えば、英語はまだ勉強中で、国際学会での発表というのは私にとってかなり高いハードルでした。
自分の英語がどこまで通用するのか、研究内容が世界にどう受け止められるのか、不安がなかったと言えば嘘になります。
それでも私は、「できるようになったらやる」のではなく、「やると決めたら、どうすればできるようになるかを考えて動く」タイプです。
完璧を待っていたら、きっと一生踏み出せない──そう思って、“当たって砕けろ”の精神で挑戦を選びました。
失敗を恐れて足を止めるのではなく、挑戦することでしか得られない経験があると信じて、一歩を踏み出しました。
そしてその結果、得たものは想像以上でした。
学び、つながり、自分自身の新しい可能性。勇気とは「準備が整ったとき」に生まれるものではなく、「覚悟を決めたとき」に初めて生まれるものなのだと、今回改めて実感しました。
とはいえ、もちろん1人ではなかなか踏み出せないのが人間です。
今回のポスター発表やエクササイズセッションともに自信を持って取り組めたのは、紛れもなく瞳先生のおかげです。
本当にありがとうございました!
Fascial Manipulation/筋膜ケアの可能性を、これからも”根拠”とともに伝え続けたい!
Fascial Manipulation/筋膜ケアは「痛みに効く手技」という認識が少しずつ広がっていますが、実際の臨床では、自律神経系の不調や不定愁訴といった“検査では異常がない”とされる症状にも効果を感じる場面が多々あります。
だからこそ私は常に疑問を持ち続けています。
「何に作用しているのか?」
「なぜ症状が軽くなるのか?」
その答えを、経験則だけではなく研究という形で少しずつ可視化し、根拠のあるセラピーとして提供していきたい。
これは、専門家向けセミナーを主催する立場としても、学術的裏付けのある発信の重要性を痛感しているからこそ、強くそう思います。
今後も、地道にコツコツと、そして情熱を持って探究を続けていきます。
科学と実践をつなぐ、自律神経ケアの学びへ
今回の国際学会を通じて強く感じたのは、日本で臨床の現場から積み上げてきた技術や視点が、世界でも十分に通用するという確かな手応えでした。
そして今、科学的な視点と確かな実践のバランスを大切にしながら、自律神経に対するアプローチを「見える化」し、再現性ある形で伝えていくことの重要性を改めて実感しています。
私が主催している「自律神経ケアセラピスト養成コース」では、こうした研究と臨床の両輪で得られた知見をもとに、
“感覚ではなく根拠に基づいたケア”を行えるセラピストの育成を目指しています。
もし、あなたが
「不調の背景にある本質を見極めたい」
「より全人的な視点からアプローチしたい」
「これからの時代に求められるセラピーを学びたい」
と感じているなら、きっとこのコースは新たな一歩になるはずです。
ぜひ、一緒に“心・体・脳”にアプローチできるセラピストとしての可能性を広げていきましょう!
体性神経系から自律神経を整え、女性の健康を支えるスペシャリストを育成する
JMF自律神経ケアセラピスト養成コースの詳細▶︎https://trigger-school.com/cf/4096.html
【募集中!!!】
◼︎冷えに対するFasciaケア
https://trigger-school.com/before/6660.html
◼︎むくみに対するFasciaケア
https://trigger-school.com/before/6663.html
I joined an international congress in Tokyo!
Hello, I’m Yuichi from TRIGGER SCHOOL.
In May 2025, I joined the World Physiotherapy Congress in Tokyo.
It was my first time presenting at an international congress, and it was a big challenge for me.
My topic was about Fascial Manipulation.
This method is usually for pain, but I talked about how it may also help the brain, body, and mind.
We found some good changes in sleep, stress, and mood after using this technique.
Also, I did exercise sessions during the event.
Many people from other countries enjoyed it and asked many questions.
I was happy that my work from Japan was useful for them too!
My English is not perfect yet, but I decided to try.
I learned that we grow when we challenge ourselves, even if we are not perfect.
I will keep studying and sharing evidence-based care for the autonomic nervous system and fascia.