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自律神経 筋膜 fascia
  筋膜セラピー

筋膜への介入(Fascial Manipulation)が自律神経活動および胸椎屈曲可動域に与える影響@第11回日本運動器理学療法学会学術大会in福岡

こんにちは。トリガースクールの中村です。

この度、2023年10月13日〜15日に福岡県で開催された『第11回日本運動器理学療法学会学術大会』にて、筋膜への介入(Fascial Manipulation)が自律神経活動と胸椎屈曲可動域に与える影響について、報告させていただきました。

自律神経 理学療法 日本運動器学会学術大会

以下、発表内容を少し紹介させていただきます。

要旨

〔目的〕
筋膜への介入(Fascial Manipulation:以下FM)が自律神経活動および胸椎屈曲可動域に与える影響について検討すること

〔対象〕
健常成人12名

〔方法〕
心拍変動を解析するスマートパルスにて自律神経均衡度を測定
胸椎1番・6番・12ばんにマーカーを置き胸椎屈曲可動域を測定
初回の測定後、1週間に1回のFM介入を計4回実施したのち、2回目の測定を行った

〔結果〕
自律神経均衡度において介入前と比較し介入後に交感神経の値が減弱
胸椎屈曲可動域において介入前と比較し介入後に胸椎屈曲可動域が増大

〔考察〕
筋膜/fasciaの滑走性が向上したことで
・筋膜/fasciaに包埋される受容器からの体性神経求心性信号が変化したこと
・体幹部に連続する筋筋膜の緊張緩和および滑走制限が緩和したこと

これらによって自律神経と可動域に変化が生じたのではないかと推察

〔結論〕
筋膜への介入(Fascial Manipulation)は交感神経活動を抑制し、胸椎屈曲可動域を向上させる可能性が示唆された

 

所感

私どもの先行研究において
・交感神経活動が高い人ほど胸椎屈曲可動域が乏しいこと(日本基礎理学療法学会学術大会2021)
・脊柱の運動により胸椎屈曲可動域が増大し交感神経活動が減弱すること(日本運動器理学療法学会学術大会2022)

この2点を報告させていただきました。

しかし、臨床場面では運動が行えない場合があったり、経験上、筋膜への介入後に可動域増大や自律神経系の変化を示唆する反応が多いことから、筋膜への介入が胸椎可動域や自律神経活動に与える影響について実際に測定してみることにしました。

結果として、筋膜への介入/Fascial Manipulationが胸椎の動きを向上させたり、自律神経活動にも変化を与える可能性があることがわかりました。

体幹の機能障害や自律神経系の変調は筋緊張や痛みに大きく影響することが予想され、これらの要素を考慮することは運動器疾患を対応する際にも非常に役立ちます。

その評価・介入として『筋膜/fascia』がヒントになるのではないかと思っております。

今回の報告が運動器疾患領域で活躍されるセラピストの方々が自律神経について学び深めるキッカケになれば幸いです。

自律神経 筋膜 fascialmanipulation 

第10回日本運動器理学療法学会学術大会の記事はこちら▼

 

 

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