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第9回日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会でトリガースクール講師の中村が慢性の便秘に対してFascial Manipulationが効果的であった2症例の検討というテーマで発表しました
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慢性の便秘症状に対してFascial Manipulationによる介入が効果的であった2症例の検討@第9回日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会in岡山

こんにちは!
トリガースクールの中村です。

2023年11月25日,26日に岡山県で開催された第9回日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会にて、『慢性の便秘症状に対してFascial Manipulationによる介入が効果的であった2症例の検討』というテーマで発表させていただきました。
第9回日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会でトリガースクール講師の中村が発表しました

それでは発表の一部をご紹介しますね!

症例紹介

〔Case1〕
・30歳代,女性
・主訴:便秘
・現病歴:23年前から便通異常の自覚あり
・排便頻度:1回/2日またはさらに遅延
・随伴症状:左頸部と肩甲帯のこわばり
・職業:理学療法士
・運動習慣:ボディワークを不定期
・出産歴:1回

〔Case2〕
・20歳代女性
・主訴:便秘
・現病歴:13年前から便通異常の自覚あり
・排便頻度:1回/2-3日
・随伴症状:左手関節痛
・職業:パーソナルトレーナー
・運動習慣:毎日
・出産歴:なし

評価結果と問題点

〔評価項目〕
①CSS(便秘の重症度分類)
②JPAC-QOL(便秘によるQOL尺度)
③触診検証による筋膜機能異常部位の同定 

なお、評価および介入はイタリアFascial Manipulation協会が定める認定Specialistである理学療法士が実施しました。

CSSとは:
Constipation Scoring Systemの略で、便秘症状の重症度評価のためによく使われるものです。8つの質問に答えていく方法で、各設問ごとに0〜4点で採点していきます。合計の点数が0〜10点で軽症、11〜20点で中等症、21〜30点で重症と判断します。
JPAQ-QOLとは:
日本語版Patient Assessment of Constipation Qualityの略で、便秘に特化した生活の質を評価する質問紙です。28項目からなり、各項目0〜4点の5段階で採点します。総スコアを平均値で表すと共に、身体的不快感4項目、精神的不快感8項目、心配/関心11項目、満足度5項目の4つのサブスケールについても平均値で表すことができます。スコアが1点未満であれば、便秘に関するQOLは良好と評価できるとされています。

評価結果は以下のとおりです。

〔Case1〕
①CSS:10/30点(便秘の重症度:軽症)
②JPAQ-QOL:34/112点(平均1.2点=QOLは良好ではない)
③筋膜機能異常:胸部、骨盤部、下肢

〔Case2〕
①CSS:9/30点(便秘の重症度:軽症)
②JPAQ-QOL:37/112点(平均1.3点=QOLは良好ではない)
③筋膜機能異常:頭部、肩甲帯、胸部、骨盤部

介入部位と結果

介入部位
〔Case1〕頭部、肩甲帯、胸部、骨盤部、臀部、大腿部へ介入慢性便秘症状に対してFascialManipulationを実施した症例の1人目の説明です。

※初回介入以降より排便頻度が増加

 

〔Case2〕頭部、肩甲帯、胸部、骨盤部、臀部、前腕部へ介入

慢性便秘症状に対してFascialManipulationを実施した症例の2人目の説明です。

結果
〔Case1〕
慢性便秘症状に対してFascialManipulationを実施した症例の1人目で、便秘の重症度の得点が改善したことを説明しています
介入前:10点 → 介入後:6点
重症度は軽症のままですが点数の減少が見られました。

慢性便秘症状に対してFascialManipulationを実施した症例の1人目で、便秘による生活の質の得点が改善したことを説明しています
介入前:34/112点(平均1.2点=QOLは良好ではない) → 介入後:12/112点(平均0.4点=QOLは良好)
介入前と比較し全体的にスコアが改善し、総合スコアの平均点も1点未満となりQOLは良好へと変化しました。

 

〔Case2〕
慢性便秘症状に対してFascialManipulationを実施した症例の2人目で、便秘の重症度の得点が改善したことを説明しています介入前:9点 → 介入後:4点
重症度は軽症のままですが点数の減少が見られました。

慢性便秘症状に対してFascialManipulationを実施した症例の2人目で、便秘による生活の質の得点が改善したことを説明しています介入前:37/112点(平均1.2点=QOLは良好ではない) → 介入後:24/112点(平均0.8点=QOLは良好)
こちらも介入前と比較し全体的にスコアが改善し、総合スコアの平均点も1点未満となりQOLは良好へと変化しました。

考察

Fascial Manipulation®︎において、体幹壁の筋膜での硬直性は挿入筋膜(璧側筋膜)へ伝達でき、それを包埋し、腸神経節によって発生するインパルスの変化を決定することもできるとも考えられており、今回の2症例についても、体幹壁を含む筋骨格系筋膜にアプローチしたことで間接的に腸神経系を刺激し、機能が賦活され、消化器官の蠕動運動に良い影響を与えたのではないかと考えています。

結論

器質的な問題のない慢性の便秘症状に対してFascial Manipulationが治療の一助となる可能性が示唆されました。

 

今回が初参加・初発表でしたが、運営の先生方や普段からお世話になっている方々に温かく迎えていただき、とてもリラックスして発表することができました。

ご質問もたくさんいただき、また施術に興味を持ってくださる先生方も多く、感謝です! 

今後も引き続き、自律神経ケアの重要性、筋膜の可能性、Fascial Manipulationの有効性などを広く認知していただけるよう活動していきたいと思います。

来年は神奈川県川崎市での開催です。
また発表できるよう準備していきたいと思います。

今回の発表に関わってくださった皆さま、ありがとうございました!

第9回日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会でトリガースクール講師の中村が慢性便秘に対するFascial Manipulationの効果について発表しました

 

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